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理想と偽装の向こう側

第16章 懐古

俺はそっと、さっき買った小さな花形のヘッドが付いたネックレスを彼女の首に着ける。



「うん!可愛い、似合うね!」
「えっ?」



水越さんは、首もとを手で触り指先に当たる感触に、眼を開いてネックレスに気付く、



「これ…?」



「俺からも、今日の記念に!」



水越さんは、上目遣いで俺を見て、



「いいんでしょうか…。何から何まで…色々してもらったのに…こうゆうこと初めてで…夢みたいです…。」



瞬間で心臓を撃ち抜かれる。



うっわ!!



俺は水越さんの肩に、頭を項垂れた。



「小田切さん?」



「可愛い過ぎる…。」
「えぇっ?」



彼女の言葉一つが、見詰める瞳が、どんだけ威力があるかなんて分かってないんだろう。



完璧に俺は、彼女に堕ちてイクのを実感する。



「ねぇ…水越さん…。」



「は、はい…。」



身体の緊張が伝わってきて、俺もドキドキしてきた



「キス…していい?」



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