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理想と偽装の向こう側

第16章 懐古

ほんの数秒だった。



唇を離し、水越さんを見ると眼を見開いて、フリーズしていた。



はは…予想通りだな…。
急展開させ過ぎたかも…大人気なくて…ごめんね。



心で呟きつつ、次の約束を作り始める。



「次…いつ会えそうかな?」



その言葉に水越さんは、我に返り唇を指で触れながら



「は、はいっ!次は、水曜と日曜日が休みです!」



「そっか…日曜日、会えるかな?」



彼女の頬にかかる髪を払いながら、問いかける。



「はいっ!会えます!大丈夫です!」



よっしゃ!引かれなかった!



「良かった!じゃあ、水越さんが行きたいところとか、考えておいて…いい?」



眼を合わせ見詰めながら、微笑むと



「分かりましたっ!」



そう言いながらギュット眼を閉じてしまった。



何故、閉じたんだ?



また、チューしちゃうぞ…なんて、オッサンみたいなかな…。



「水越さん…どうしたの?」


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