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理想と偽装の向こう側

第16章 懐古

こいつ!いきなり何てことを!



「そう言う訳で、佐伯さん俺たち打ち合わせあるから!」



「は、はい。」



滝島に手を振られながらそう言われた佐伯さんは、豆鉄砲でもくらったように唖然としていた。



「でっ!小田切くん、水越案件は上手くいったの?」



滝島は、ニヤニヤしなが意味深に聞いてきた。



「それは、どうですかね。」



「さっき聞き捨てならない言葉を発してなかった?」



「何でしょうか?詳しくは、お昼にお伝え致しますが。」



「えっ!マジっ!やった~!」



本当に嬉しそうな姿に、きっと滝島なりに気にしててくれたんだろうと。



あの純情天然な彼女と、すんなり事が進んだのも、頼んじゃいないが、いつのまにかの滝島の働きが、あったからだ。 



「滝島~昼飯、奢るよ。」



俺の一言に、 



「小田切…やっと俺の愛情が分かったか!」 


そんな事言って抱き付こうとした。 



「また!オマエは!ヤメろよ!」



「きゃぁっ!」



何故かオフィスの奥から、女子の叫び声が聞こえた。


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