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理想と偽装の向こう側

第16章 懐古

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「水越さん、着いたよ~!」



彼女のアパートまで、車で送り届けた時には、22時頃になった。 



日頃の仕事疲れもあっただろうに、1日歩き回ってたから、車の揺れで眠くなってしまったのか、気持ち良さそうに寝息をたてていた。



「連れて帰っちゃうよ~。」



俺はハンドル肘を着き、冗談を呟きながら、可愛い寝顔を眺めていた。



なんか至福の一時だな…。



寝顔…写メっちゃダメかな…。
なんて、また下心が湧いてくる…更に。



「ふ~にゅ…。」



くっ…なんだその擬音!
ムラムラしてくるから、可哀想だけど起こそう。



「水越さ~ん!朝だよ!遅刻しちゃうよ!」



結構大きめな声で、そう言うと



「きゃっ!ウソっ!」



効果てきめんで、水越さんは直ぐに起き、キョロキョロする。



「えっ?あ、朝?」



「じゃないけど、おはよう~!」



本当に可愛いな…笑いが込み上げる。


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