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理想と偽装の向こう側

第17章 希望と絶望

「はい…入って…。」



光花が落ちないように壁際の方に入らせて、細い首元に腕枕をし、もう片方の腕は背中に回し胸の中に包み込む。



やっぱり…ほっとする。
この安らぎに身を任せ、早く眠りに就いてしまおう…



「光花…お休み…。」
「志信さん…。」



光花がモゾモゾと動きだし、こそばゆい。



「ん…寝づらい?」



「…ううん…腕の中で…気持ちいい…。」



そう言って頭を胸に擦り付けてくる。



頼むから、下手に動かないでくれ!
と、心の中で叫んだ。



「そ…もう、寝な…。」



「志信さ…ん…。」



「ん~…?」



あ…いい感じでウトウトしてきたぞ…



「キス…して…いい?」
「キスっ?」



ドックンッ!!



一気に目が冴える。



「うん…していいかな?」



胸元で小さく囁かれ、俺の『理性』との石垣にヒビが入りそうになる。



それに、光花からなんて珍しい…



「どうしたの?普段と違うんじゃない。」



「えっと、気持ち良くなるから、ホッとするの…。」



気持ち良くなるからって…この体勢で言われると!!



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