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理想と偽装の向こう側

第5章 トラウマ

小田切さんは、手際良く肉やら野菜やら焼いてくれた。 



それを眺めながら、私はレバ刺しを食べた。



「美味しいぃ~!」



「はは!良かったね。俺にも食べさせて。」



口を開く小田切さん。



「えっ!入れちゃうんですか。」



「うん、だって俺忙しいから。」



「じゃあ、お箸を…。」



「それでいいよ~。」



そう言いますが、これ私の箸ですよ…。



でも、いつまでも口を開けっぱなしにする訳にもいかない。



「…はい…。」



パクり!と、箸先をくわえる。



「美味いっ!」



「美味しいですよね!」



「レバ刺しは、当たりハズレあるから、ここのは新鮮だな!香織ん、良かったじゃん!」



「はい!」



レバ刺しトークに花が咲いた。



それにしても本当にフリーダムな人だよ。

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