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理想と偽装の向こう側

第17章 希望と絶望

「どこ…行きたいか?」



トロンとした瞳で、光花は考えた様子で



「遊園地…。」



「遊園地?そうだね…一緒に行った事なかったね。何に乗りたい?」



「観覧車~!」



鼻先が触れそうな位置で、満面の笑顔で言った。



「観覧車か…。」



「うん!一番天辺から街を見下ろしたいなぁ~!私小さいから、高い所からの景色好きなんだ!」



そんな細やかな事を無邪気に語る君の夢を叶えてあげたかった…。



「そうだな…。じゃあ、退院したら高台にある観覧車…二人で乗りに行こうな…。」



「うん!」



もしかしたら…状況によっては、一時退院とか出来るかもしれないし…。



どこかで、それくらいはと願っていた。



「楽しみだな!検査、頑張るね!」



「よしっ!じゃあ、指切りしとこう!」



「うん!」



そして、お互いの小指を絡めて、約束をした。





この後も…君と沢山夢を…希望を…語り合ったね…。




だけど…1つも叶えてあげられなかった…。







君が一番望んだ夢は…何だったのかな…?



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