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理想と偽装の向こう側

第17章 希望と絶望

病院でお義母さんと別れて自宅に戻るが、どう帰って来たか記憶がない。



何で、光花なんだろう…。



世の中には、色んな病気で苦しんだり、戦争や飢餓で亡くなる人は多数いるのに、目の前の大事な人が亡くなる現実は受け止められなかった。 



これは、我儘なんだろうか…。



そんなの吐いて捨てる程、起こってるんだと…言い聞かせなきゃいけないのか。



無理だろう…。



変わってやりたくても変われない。



誰か変わってくれと、望めない…。



どうしたら、この重く汚い感情を消せるのか…正直、解らない。



駅からアパートに向かう途中の橋に差し掛かる。



おもむろに、川を見た。



彼女に出逢う前からも、今までも変わらず水面はキラキラ輝いている…。



あの時は、勇気が湧いてくる思いだった…。



今はこの煌めきすら、くすんで見える…希望も夢も湧いてこない。



この川の流れの先は…未来に繋がっているんだろうか?




俺の未来は『絶望』に繋がってるとしか…思えなかった…。

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