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理想と偽装の向こう側

第18章 永久と再会

病室の前に立ち、一息吐いてノックして部屋に入る。



「光花!気分どう?」



自然と笑顔を浮かべた。



「志信さん!今朝からワクワクしてたから、元気だよ!」



更にやつれたけど、向けてくれた笑顔に曇りはなかった。



「ワクワク?何かあるの今日?」



「ふふっ…小田切さんが来てくれる日だったからよね~光花。」



お義母さんが、そう言って優しく笑いかける。



「やっ!お母さん!」



真っ赤になって照れる光花に、俺も照れ臭くなってきて鼻の頭を指先で掻いた。



「小田切さん、私は洗濯してくるのでゆっくりしてって下さいね。」



「有り難うございます。」


お義母さんの気遣いに、感謝した。



「パタン…。」



ドアが閉まり、二人きりになる。



「ワクワクして、待っててくれたの?」



笑顔で、問いかけると



「だって…志信さんに会えるのが、元気の源なんだもん!」



モジモジしながら、ハッキリ言う光花が愛しくて仕方ない。


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