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理想と偽装の向こう側

第19章 罪悪感?

◎ ◎ ◎ ◎

「わかりました!有り難うございました!」



滝島さんに、何ヵ所か小田切さんが行きそうな場所や喫茶店を教えてもらった。



最後に滝島さんは

『小田切の事、宜しく頼むね!』

と言った。



弾ける様に、全速力で走り出す。



食べてなくて、胃カメラ飲んで、生理もきちゃって正直フラフラするけど、突き上げてくる衝動に背中を押されている感覚だった。



小田切さん!小田切さんっ!



私はひたすら、名前を繰り返して走り続けた。



「はぁ!はぁ!…。」



息が上がって苦しい。



諦めるな!負けるな!



ありったけの言葉を並びたてて、自分を奮い立たせる。



小田切さん、どこにいるの!



「カランッ!カランッ!」



三件目は、アンティーク調のお洒落な喫茶店で、扉を開けるとドアに取り付けられてる呼鈴が音を鳴らす。



「いらっしゃいませ。一名様ですか?」 



「はぁ…すみません…ここに背の高い、男性二人…はぁ、来てますか?」


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