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理想と偽装の向こう側

第20章 さよなら

「小田切が築いて来たもの…済し崩しになるかもね…。」



何言ってるの…そんなの許される訳ない。



正気の沙汰じゃない…。



「や…止めてよ…。どんな思いで頑張って来たか知らないクセに!」



小田切さんの立場は、光花さんが命懸けで守ろうとしたモノなんだ。 



小田切さんだって、光花さんの想いに応え様と、心血注いだ結果が今の立場や地位なのに…嘉之の独りよがりな欲望で、壊させる訳にはいかない!



「へぇ…じゃあ、お互い様だよな…。あいつが先に俺の築いたモノ壊そうとしたんだから。」



「何よ!小田切さんは、何もしてない!傷付いてた私を励ましてくれてただけじゃない!」



「バシャ!」



嘉之は持ってた缶を握り潰して、中身のチューハイが溢れ出た。



「励ます?そんで、人の女と同居すんのかよっ!」


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