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理想と偽装の向こう側

第20章 さよなら

「香織ん、痛いところにこれを当てて。」



「うん。」



それは、半透明でツルツルした…アロエだった。



「ばあちゃんがさぁ~火傷にはアロエが一番だって!一家に一鉢は必ず置いとけって!小田切家の家訓みたいなさ…。」



小田切さんは、アロエを当てたまま、指をガーゼとテープで綺麗に巻いてくれてる



「へぇ~凄いねぇ!」



手当てしてくれてる顔を間近で見詰めてしまう。



睫毛…結構、長いな…。



「はい!これでオッケー!キツくない?」



「大丈夫!ありがとう~。」



「そっ!座ってな。」



最後はポンポンと、頭を撫でてくれた。



本当に、優しいな…。



キッチンで引き続き、料理を始めた小田切さんに



「どうしたら…そんなに優しくなれるの?」



と、聞いてしまった。



「へっ、俺の事?別に優しくないよ。普通にみんなやってる事をしてるだけじゃない?」



いや…向き不向きが…少なからず嘉之には、普通にあり得ないです。

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