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理想と偽装の向こう側

第20章 さよなら

「そんな食べないもん!」



「ぷっ!」



まだ、笑ってる~。
けど何だか…楽しそうだからいっか…。



少なからず、小田切さんが穏やか笑える空間を守れたのかな…。



嘉之…本気で小田切さんを貶めるつもりだったのかな。



興信所まで使って調べて…予想以上にやることやってきた。



『どうせ、企画が通ればケリ付くし…。』



安岡さんが、あそこまで言ってくれたけど、嘉之本当に納得するだろうか…。



諦めるかな…。



「香織ん!」



「ん?はいっ!」


しまった!
また、呆けちゃったよ!



「頭一杯な感じだね…。」



ズキン!



「あっ…そんな事ないよ!」



せっかくケリが着いたのに、嘉之の事ばかり考えてる…。



こんなの良くない!



「ふ~ん…。」



小田切さんは、何か考えてるような表情で私の髪を指ですいてきた。


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