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理想と偽装の向こう側

第20章 さよなら

「小田切さん…。」



自然と、腕の中に吸い込まれる…。



ギュッとされ、温かい体温が身体を包む。



「香織ん…。」



蕩けて、しまいそうだ。



何だろう…やっぱり私たちは、お互いの傷を消すことなく甘い現実逃避の中に辿り着いてしまうのかな?



告白して、この『幻惑』を解いてはいけないの?



「小田切さん…。」



私の頬に小田切さんの唇が、寄せられる。



今…こんなに近いのに、貴方は何を一番望んでるのかが解らないよ…。



「あ…。」



耳たぶを舌先でなぞられ



「今は…何を考えてたの?」 



「えっ!今っ?…きゃっ!」



耳たぶの下から舌先を下ろして首筋をなぞられていきビクンッ!と反応してしまう。



「あっ!」



こんな状況で他に何をと!って…もしかして…?



「あっ!やっ…小田切さん!」



「な…に…。」


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