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「ありがとう…。」



小田切さんの優しさが嬉しくて、感謝の思いでそう言うと



「香織ん…そんな綺麗な理由じゃないよ。」



「へっ…。」



身体を少し離して、顔を見ると小田切さんの瞳が揺れる。



「香織ん…俺は香織んが思うような良い人でも、出来た人間でもないよ…。」



親指の腹で、唇を強く押しながらなぞられる。



「あっ。う、うん…。」



分かってる…私を痛みの底に一緒に落ちようとしくらいだ、決して綺麗ごとではないけど、それは貴方が優し過ぎたから。



「でも…優しいよ…。小田切さんは、凄く優しい…。」



「そうかな…。」



あっ…哀しそうな顔になった。　
　　


「小田切さん…自分を責めないで…私が小田切さんと一緒に居る事を選んだの…。だから…」　


　　　　
私は小田切さんの頬に、キスをして…。



「貴方の好きにして…欲しい…。」