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理想と偽装の向こう側

第20章 さよなら

小田切さんは人差し指で、私の唇をなぞりながら、



「一晩中こうしてたら…どうなるかな…。」



そう言って、妖しく微笑む。



バクバクバクバクバクバク!!!



今度は、心臓にジェットミサイル搭載しそうです!



「あっ…そんなの…。」



嬉しいけど!
あっ!イヤイヤ!
まだ、心臓が持たない!



「嫌…?」



「はぁ…イ…ヤじゃない…。」



しまった~!
やっぱり流された!!



ふっと笑って



「そしたら…嘉之の事も考えなくなる…?」



「えっ…。」



私は固まって、眼と口が開いた。



ああ…そうだった…。



静岡に連れってくれた時だって、嘉之の事考えないようにさせてくれてた。



今までの小田切さんの行動は、全てそうだったのかも。



キュン…。



私は小田切さんを強く抱き締めた。

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