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理想と偽装の向こう側

第21章 逆転

水曜日

「あら、おめでとう。」



黎子をPiazzaに呼び付けて祝賀会をする事にした。



気前良く来てくれたけど、水曜日はいつも暇なんだろうか? 



「ありがとう~!黎子には感謝してます!ハイネケン以外は奢るから食べて~!」



私の言葉に、



「逆じゃないのね…。」



「冗談だよ~!今日は、全部奢り~!」



「いいわよ!」



「あっ、でもね!小田切さんと同棲してから、殆どお金使わなくなってたから、最近貯金にも余裕があって!」



「へぇ~小田切効果は凄いわね。嘉之には、貢いでたようなもんだし。買った絵は、もう少ししたら価値は出てくるかもしれないけど。」



「うっ…耳が痛い…。」



「いいわよ…逆にお祝いしてあげるわよ!結婚資金に残しときなさい!」



「なっ!!じゃあ…割り勘で…。」



苦笑しながら



「はいはい。」



と言って黎子の笑顔は久々に優しかった。


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