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~多重人格パートタイムラヴァー・ガール~

第113章 美香のPartTimeLove⑩

「いや!お願いそれはダメ!」
アタシは激しい口調で言った。依舞が目の前にいたらつかみかかっていただろう。
「あらあら。アナタもまんざらじゃなかったてことなんだ?確かに何だか楽しそうだったもんね。アナタも彼が好きになっちゃったの?」
依舞が言った。意地悪く、楽しんでるようでもあった。
「今日会ったばかりだから、好きだとかそういうのではないと思う。ただ、彼といると何故だか楽しい気分になったのは間違いないよ。そんなことってアタシははじめてだったんだ。でも、これから彼の話てくれた仕事をするなら特別な関係にはなったらイケないって思うの。だから依舞、お願い。彼はそっとしていてほしいの」

アタシはできるだけ感情的にならないように依舞に言った。

「わかったわよ。でも、これくらいは知っててよね。好きな男がいるのに、他の男を相手するって仕事をするのは想像しているよりずっと苦しいわよ。もちろん実際に相手するのはワタシだけどね」
依舞が今度は真面目に言った。

この時のアタシには、まだ意味がよくわからなかった。

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