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~多重人格パートタイムラヴァー・ガール~

第115章 美香のPartTimeLove⑬

それにしてもアタシはイッキ君が仕事の詳しいことを知らなかったことに驚き、そんなのでアタシに声をかけたのかと信じられなかった。

「失礼だけどわもちろん男性経験はあるよね?」
ボビーさんが真面目な顔をしてアタシにきいた。
「はい。あります」
アタシはしっかり答えた。「それなら大丈夫や。わかってもらいたいのは、初めてこの仕事やるのに、具体的なテクニックなんてのは大したことやないんよ。バージンやなかったらできる。問題は気持ちが割りきれるかどうかってことやねん」
こうして、ボビーさんのデリヘルの仕事についての話が始まった。
イッキ君もアタシも、ボビーさんの話を食い入るように夢中になってきいた。

オーダーの電話してきたお客さんの利用しているホテルや自宅に女の子を派遣するのがデリヘルだった。
サービスの内容としては、女の子はお客さんに手や口を使ってイカせてあげるのだ。本番と言われる最後までやるエッチはしたらダメというのが一般的なルールらしい。

とはいえ、お客さんの中には、わかっていながら本番まで求める人がいて、それをきちんと断って最後まで導いていかないといけないのだった。
とにかくは一切の無理はしなくていい。色んなリクエストをお客さんはしてくるものだけど、しっかり自分を守って、できないことはできないでいいんや。何かあったらすぐにオレらスタッフが飛んで行ってあげるから。
それをボビーさんは繰り返した。

「たいたいの大きな意味はわかったかな?」
ボビーさんはアタシに言った。

「できる…」
アタシは間を置いて依舞にきいてみた。
「楽勝!そんなんでいいんだ。もっと凄いことやってあげるのに」
依舞の楽しそうな声がアタシの頭に響いた。

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