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そんな想い

第3章 チャンス到来…?


不思議なモンで、先に酔われると、残された方はしっかりする。

モヤモヤはいったん置いといて、俺は片づけを始めた。

グラスを洗って戻ると、松岡さんは完全に夢の中。

こんなところで寝てたら、風邪を引いてしまう。

「松岡さん、ベッドいきましょう」

「…ん? う……ん」

抱きかかえるようにして立ち上がらせ、俺は寝室へと足を踏み入れた。

さすがに長居は無用。

ベッドに松岡さんを横たえ、寝室を出ようとしたときだった。

「なぁ」

「はい?」

「今日はキスしねぇの?」

「え!」

振り返る勇気がなかった。

俺は慌てて荷物をひっつかんで、部屋を出た。

松岡さんはあの日のことを知っている。

ちゃんと知ってるんだ。

そのことが何を意味するのか。

考えるのは怖かった。

ただ、ヤバいってことだけは嫌と言う程わかっていた。

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