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そんな想い

第6章 ヘタレてばかりもいられない


「松岡さん、俺、男ですよ」

言うなという自分がいる。

だのに、勝手に口が動く。

「知ってる」

「キスしたかったら、彼女にすればいいじゃないですか」

「まあな」

呼吸が止まるかと思った。

だが、その直後、「彼女がいれば…だけどな」と松岡さんは言った。

「いないんですか?」

「まぁな」

「昨日、ぼちぼちって言ったじゃないですか!」

「ぼちぼち考えないとなぁ…の、『ぼちぼち』だ」

なんじゃそりゃ!

すげー落ち込んだ分、腹が立って仕方なかった。



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