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そんな想い

第6章 ヘタレてばかりもいられない

ムカムカした勢いで、俺はとうとう言ってしまった。

「松岡さん、俺がしたこと、知ってるんですよね?」

「お前がしたこと?」

松岡さんのとぼけた返事に、ますます腹が立つ。

「こういうことですよ!」

俺は、松岡さんの頭に手を回し、体を密着させた。

そうして動きを封じたうえで、あの日以来のキスをした。

それも、触れるだけじゃないヤツを。

唇にかみつき、舌を差し入れ、かきまぜたり、絡めて擦りあげたり、吸ったり。

頭の中ですべての終了を告げる音が聞こえていた。

終わりならば、これで最後ならば、思う存分…そんな気になっていた。

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