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そんな想い

第10章 理想と現実

「お前ら、まだ頑張るのか? 俺はお先に!」

課長が片手を上げて部屋を出ていく。

見渡せば、フロアには俺たちだけ。

頭に「チャンス」の文字が浮かび上がる。

「おい、エロいこと考えてんなよ!」

またまた以心伝心?

松岡さんには、俺の考えなんて全部お見通しなんだ。

「だってぇー」

「子供か!」

「これ上げるの、あと3時間はかかりますよ。終電ギリですよ」

急に飛び込んだ仕事にてこずって、気づけば20時過ぎ。

「お前ならできるだろ?」

「え~」

「お前はできる男だろ?」

「そりゃ、松岡さん仕込みですから」

「よし! じゃあやれ!」

「はーい」

「終わったら…」

「終わったら?」

「キスしてやるよ」

「よし! 頑張りますかね」

「頼んだぞ」

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