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私たちのエッチな体験談。短編集。

第5章 五人目

近付く男の影に、気づいた時は隣に居て私の頭上には傘があった。


『風邪引くよ?

これ使って。』

優しい笑顔で微笑んだ聖夜がいた。

(えっ?

かっこいいー。)

『ありがとうございます。

でも…。

大丈夫です。』

(借りたら…。この人が濡れちゃう…。)

私は、自分好みの顔の優しい聖夜に一目惚れだった。

『いいから。

使えって。ねっ?』

また…。優しい笑顔。

『でも…。

濡れちゃいますよ?』

『走るからいいよ。』

『だめです。

やっぱり借りれません。』

そういうと聖夜は考えていた。

『どこに行くの?』

『あっちにガソリンスタンドあるの分かります?あの近くに車を止めてるんです。』

『じゃあ…。

一緒行こう!』

『えっ?いいですよ。』

『はいはい。

こうゆう時はありがとうでしょ?』

ーードクン。

『ありがとうございます…。』

そのまま傘をさしながら駐車場まで二人で歩いた。

『あの…。
街に行く途中だったんじゃないですか?』

『そうだよー。

九時から仕事ー。』

『えっ?えぇー!

ごめんなさい。』

時刻は九時を過ぎていた。

あの時私に会ってなかったら聖夜は遅刻せずにすんだけど…。


私は聖夜に会えて良かったと思った。


『いいよ。

びしょ濡れで歩いてる子ほっとけないし。』

私は顔が赤くなるのが分かった。

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