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はぴねすっ!!!?

第12章 春と秋の秘密

そこから先はあまり覚えていない。


気づけばもう夏にぃの葬式が終わる頃だった。



夏にぃは即死。トラックの運転手もあのあとそのまま塀に突っ込んでいったらしく、死亡。ニュースにも取り上げられるほど大きな事故だったらしい。

もちろん、あの寺島家の跡継ぎが死んだことも世間に知れ渡った。親父もお袋も忙しくゆっくりと夏にぃの死を悼むことすらできなかった。


春はずっと泣いていた。

俺は、感情のない人形のようにただただ座っていた。


こんなにも人々を悲しませ、みんなが必要としていた夏にぃが死んではいけなかった。





俺が死ぬべきだった。

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