はぴねすっ!!!?
第37章 ピアノコンクール
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「では、私はこれで。」
係員さんはそういい残し、もとの場所に戻っていった。
「佐渡川 直様
だってさ。ここで間違いないな。
開けるか?椿ちゃん?」
「優さん、私、このまで来て言うのもなんだけど
なにいったらいいだろう。
励ますのも、なんか違う気がするし.....」
ああ。計画の詰めが甘い。
私の言葉で今から本番を迎える直に悪く響かないでほしい。
でも、今、会わなきゃいけない。今じゃないと。
「そんなこと悩んでんのか?
いつもの椿ちゃんらしく言えばいい。
支離滅裂になっても、まとまってなくても。
要は気持ちさえ伝わればいいんだろ?
思ったことをそのままいってごらん。
少なくとも椿ちゃんに俺や春、秋は救われたんだ。
自信持て。」
軽く背中をトントンと前に押される。
そ、うだよね。
うん。
気持ちだよ。どんなにうまく言えたって気持ちが伝わらなきゃ、意味がない。
「優さん.......ありがと。
神谷 椿、みるみる燃え上がってきました!」
「はははっ!そうだ!その意気だ!」
すぅっと息を吸い込んで、その扉をノックする。