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お兄ちゃんはいちご味

第9章 夏休みのひみつ



――――――――…



「――の、果乃、ついたよっ!」


パパの声で目を覚ますと、車の窓越しに青い海が見えた



「ん…海…」


今日は待ちに待った夏休み初日。

あたしたち3人は車でパパの実家があるこの海沿いの町に来ていた



「はい、とーちゃく♪」

「わあ…」


和風な佇まいに、森みたいに広い庭のある大きなお屋敷

数年ぶりの光景に、思わずため息が漏れた


月神の家は、代々伝わる吸血鬼の家系としてこのあたりでは有名らしく、おじいちゃんと叔父さん一家が住んでいるこの家には古い歴史がある




「おや、よう来たね」


渋い色の着物を着たおじいちゃんが迎えてくれた



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