お兄ちゃんはいちご味
第15章 中毒症状
「あたしだってお兄ちゃんが好きなのに…」
迷惑だってわかってる。勝手だってわかってる 。
一方的に押し付けたって、お兄ちゃんは答えてくれない
だけどあたし
お兄ちゃんのこと独り占めしたくて仕方ないぐらい、
お兄ちゃんが好き……
「…お前ちょっと頭冷やせ」
「なっ…」
「…頼むからもう俺に触んな」
お兄ちゃんは冷たく言い放って、リビングを出て行った。
ズキンとした痛みが胸を刺して
何も言えずに立ち尽くした。
涙がこぼれそうになったけど
なぜか泣くのが悔しくて
ぎゅっと拳を強く握った―――