お兄ちゃんはいちご味
第3章 キャラメル味
「ごちそうさまっ♪」
果乃が満足したような顔で口を離した
キーンコーンカーンコーン…
タイミングよく昼休み終了のチャイムが鳴る
「じゃ、またね!お兄ちゃん」
そう言って果乃は階段を降りていった
「…はぁ……はぁ………」
まだ頭がぼーっとする。
俺はさっきの余韻に浸りつつ乱れた呼吸とシャツを直し、階段を降りた
「……ゆり」
ちょうど階段を降りたところでゆりに出くわした
「またサボり?」
ゆりは俺の顔を覗き込む
「さぼらねーよ。今から教室行くんだっつの」
「…ふぅん?」
「…なんですか」
「昼休み何してたの?」
「なんだっていいだろ」
俺は目を逸らしてそっけなく返す
「………ちょっと来て」
ゆりは不機嫌そうな顔で俺の腕を強引に掴んで歩き出した