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お兄ちゃんはいちご味

第5章 キスの感触




「はあぁ…」

俺のあしどりは重い

正直果乃と顔を合わせるのは気まずい…

でも果乃の体調も心配だった


なんて声をかけようか考えながら保健室のドアを開ける



ガララッ

「失礼します…」

「あ、月神さんのお兄さん?」

「はい」

「よかった〜。妹さんならベッドで寝てるから。先生月神さんの荷物持って来るからちょっと待っててね」

「あ、はい」





果乃はベッドで苦しそうに寝ていた


「果乃…?」

果乃の寝顔は普段より幼く見える

布団からチラリと見える太ももに、思わず視線を向けてしまう



ドキン…ドキン…


なにこれ

俺…妹に欲情してんの…?




「果乃……」


そっと果乃の唇を指でなぞる


ドキン…ドキン…



やばい、俺……


止まらないかも……





「ん…お兄ちゃ……?」


果乃の唇が動き、俺は慌てて指を離した



ぱちっ

「お兄ちゃん、なんでいるの…?」

びっくりした顔で俺を見る


なんだ、元気そうじゃん…




「別に、父さんに頼まれたから来ただけ」

そっけない返事をする俺に、果乃の表情は分かりやすく不機嫌になる



「わざわざ来てくれなくてもいいのに…」

「なにその態度」

「もう大丈夫だから授業戻る!」

「はあ?」


果乃はベッドから起き上がって上履きを履き、保健室から出ていこうとする



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