歩いていこう。‐今を生きよう‐
第2章 部活
入部届けを出して、初日。
私は車椅子に乗ってる龍星くんを押しながら美術室に行った。
授業で一回行ったことがあるけど…
室内は絵の具や木のにおいが混ざった独特なにおい。
美術室に着いてドアをたたく。
コンコンッ
『はぁーい』
ドアの向こうから男の人の声が聞こえる。
『美術部に入りたいです!』
いつもより大きい声で龍星くんが言う。
ドタッ バタガタッ
なにか騒がしい音が聞こえた。
『何か大丈夫かな?』
『すげぇ音したな』
バンッ
二人でしゃべってるとドアが勢いよくあいた。
『きゃっ』
中から出てきた男の人は多分美術部の先輩。
『ぁれっ女の子?男の子の声がしたんだけど…』
『ゴホンッ』
そう言った男の人に龍星くんがわざとらしくせきをした。
視線を下に下げた男の人は
『ぁごめんね。僕は美術部2年の柏木優斗(カシワギユウト)!とりあえず中に入ってよ』
そう言って私達を招き入れてくれた。