歩いていこう。‐今を生きよう‐
第3章 気持ち
結局 部活中もしゃべらなかった。
というより、龍星くんが話しかけてくれても私は避けてた。
ぁー私最低だ…
そう思いながら靴箱で靴を履き替えてると龍星くんに呼ばれた。
『歩実ちゃん!』
私はそっちに顔を向けず帰ろうとした。
『っ待って!』
そう言われて後ろを見ると必死に車椅子を動かしていた。
私の前に来た龍星くんは泣きそうな目で言った。
『俺なんかした?歩実ちゃん避けてるよね?
やっぱり“障害者”は重い?』
『ちがっ…
ごめんなさい…』
『なにかあったなら教えてほしいな…
無理にとは言わないからさっ』
ニコッと笑って言う龍星くんに私は涙腺がゆるんで涙を流した。
『え?!歩実ちゃん!?』
『ごめんねっ
私…っ最低なことしてっ…ひっく…』
『なにかあったの?』
私は杏菜ちゃんに相談したことを言った。
『私はっ…龍星くんが好きです』