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『幼なじみ』

第23章  罠



「いよいよだな・・・」


一階から・・・


五階の
VIPルームに続く
硝子の扉の前へ・・・


漸く辿り着いた
拓弥は・・・


手に持っている・・・


薬物が入った紙袋を
強く握りしめ・・・


これから
何が起こるか
全く検討もつかない・・・


恐怖心と
戦いながら・・・


今一度
気合いを入れる・・・。


そして・・・


春斗の兄貴に
相談するまでは・・・


絶対に
会ってはならない・・・


喜多見らしき男が
さ迷ってないか・・・


キョロキョロと
辺りを見回し・・・


慎重に
自分の周辺を
警戒する・・・。


『喜多見・・・は・・・
居ないみたい・・・だな・・・』


春斗と梨香も
もう中へ
入ったのだろう・・・


拓弥が立っている
ドア付近には・・・


二人の姿は
見当たらず・・・


代わりに・・・


ナンパで
勝利した男達が・・・


VIPルームで
女とイチャつこうと・・・


酒を片手に・・・


必死になって
口説く姿だけが
目に映る・・・。


そんな・・・


熱を帯びた光景を
目の当たりにした
拓弥は・・・


突然・・・


『アッ・・・!ヤベッ・・・
悠希・・・どうしたかな・・・』


と・・・


先程
VIPルームに来いと・・・


思わず
誘ってしまった
悠希の事を・・・


慌てて思い出し・・・


暫く・・・
その場に
立ちつくした・・・。











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