パパとママのタカラモノ。
第4章 出産。
初めての家族写真も
無事に撮り終えて、
「身体の調子、早く良くなるといいね。お大事に。また来るよ。」
そう言ってお母さん達は
17時に帰っていった。
智ちゃんも
一緒に帰るのかと思っていたら
ベッドの端に座って風くんを見てた。
智也「奈央。」
奈央「んー?」
智也「‥ありがとな。」
智ちゃんは
私の方に背中を向けて
ボソッと呟いた。
その肩は小刻みに震えていた。
奈央「智ちゃん?」
智也「風真を産んでくれて、ありがとう。今は身体をゆっくり休めて、退院したら一緒に子育て、頑張ろうな。」
智ちゃんの声は震えてた。
智也「俺さ、今まで実感湧かなかったんだよ。父親になるっていう自覚もなかった。」
奈央「うん‥。」
智也「けどさ、さっき風真抱いた時、少しだけ実感湧いた。」
少しだけかよ(゚□゚)笑
って突っ込みたかったけど
そこは我慢して、
奈央「良かったね。」
と、それだけ言った。
智也「俺、風真にとって良い父親になれるかな‥。」
奈央「んー、風くんにとって良い父親かどうかは、まだ先のことだから分からないけど、私にとって智ちゃんは、世界一の旦那さまだよ笑」
智也「ばーか笑」
奈央「あ、けど事故ったことは一生許さないよ。」
智也「ごめんなさい。」
奈央「謝っても許しません笑」
智也「どうしたら許してくれる??」
奈央「んーヨーロッパ旅行に行きたいな。」
智也「あーそれは財布と相談だな‥。なぁ風真、ママがいじめる~泣」
奈央「はい?イジメてないけど笑」
智ちゃんは
「また明日来るから。」
と言って18時過ぎに
帰っていった。