チーズケーキ
第16章 突然の出来事と電話越しの声
「うち、やりたいこと見つかってん」
そう言う桜は嬉しそうだけど少し元気がない
「やりたいことって?」
「うちな、東京に来たんは正美兄の件があったからで、夢があるとかじゃなかってんな…けどここで働いてたらやっぱりチーズケーキが好きやし…お菓子が好きやなって思ってん」
なんだか嫌な予感がした
「大阪に帰ろうと思う」
「え?どうして…」
「この間オトンとオカンが遊びにきててんな、ジュンジュンには黙ってたけど…そん時にきいたんやけど、実はオトン…末期ガンなんやって…」
「え…秋野っちが…ガン…?あんなに元気だったのに?!」
苦笑いして桜は頷く
「前にオカンと姉ちゃんときたやろ?その話があったからやねんって…実家に帰った時もなかなか話できひんくて…そんでこの間、会いに来てくれてきいてん」
桜のお父さんはジュンジュンの担任だった
まだ…若いのに…
動揺が隠せない
どうして…
それは桜が1番思ってるんだろうけど
桜をギュッと抱きしめた