優しくしないで
第9章 古傷
奏…
俺の幼なじみ…で…
ずーっと好きだった子…
彼女も…将来を約束された…
ピアニストだった…
彼女の未来は明るかった…
小さいときから…夢があって
それに向かって…
努力を惜しまなかった
ピアノを弾く奏は…
キラキラしていた
高校も音大に入るには有利な学校だった…
バスで通う奏とバス停まで毎朝一緒に歩いた…
ほんの数分の距離…
彼氏気分を味わっていた…
その日も…
くだらない話をして、バス停で別れた
俺は地元の高校だったから徒歩で通える距離で…
すぐに学校についた
学校に着くと…遠くから救急車のサイレンや消防、警察のサイレンまでも…微かに聞こえていた
どこかで事故か?ぐらいしか思わなかった…