優しくしないで
第9章 古傷
学校を終えて…
自宅に帰ると
母親から、
奏が乗っていたバスに…トラックがぶつかる事故があったと聞いた
俺は…病院に…走った…
病院に行く道すがら…
事故現場を横切った
朝の事故の形跡は生々しくはなかったが…
明らかに…事故があった…そんな感じの交差点だった…
嫌な予感がしたが…
それを振り払うように
俺は…走った…
伸ばしていた髪が切れても、
ツルツルの肌に打撲があっても、
顔に擦り傷があっても、
足が片方動かなくても、
片目が…潰れていても…
奏に両腕だけあれば…
それでいいと…
俺は走った…
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