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優しくしないで

第12章 青空に…煙り



「太一……」



剣は…手にしていた花束を



柩の上には乗せた…





「…二十歳になったら…一緒に酒…飲みたかったよ


親友として…


陸上部のライバルとして




太一と出会えて…幸せだった…

さんきゅう…太一…」




剣は…柩に向かい…

凛々しく話しかけた…


頬に流れる涙は…


拭うことなく


笑いながら…親友として…



太一に話しかけた…






私は……







言葉が…出なかった…






刺繍の布を掴み…


花束を抱え…





涙は…


止めたくても…止まらない



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