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優しくしないで

第12章 青空に…煙り



柩のすぐ横には…


火葬するための…


窯の入口が見える…




夏なのに…ひんやりとする空間に…



響く…私たちの足音…




あの…棺桶の中には…




太一がいるのに…






太一が




いない…








ゆっくり…柩に近づき…






柩に触れる…






「…ごめん…
顔…見たいだろうけど…



見ないでやってくれ…



太一を思い出す時…



今の太一の顔は…必要ないだろ?」




お兄さんは…

鼻の頭を赤くして…




無理矢理笑った









家族にとっても…



太一の…今の顔は…




ホントの太一じゃない…





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