優しくしないで
第12章 青空に…煙り
剣は…私がここまで…
壊れて泣く…
理由をしらない…
でも、何も聞かなかった
聞ける雰囲気でもなかっただろう…
昨日、三人で行った公園に寄り…ベンチに座り…
無言の時間を過ごした…
その間も…
仁さんは私の隣に…いてくれた…
「…俺…決めたよ…」
剣が空を見上げ……
沈黙を破った
「……俺…
太一の分も……走る…
陸上の強い大学に行く!
太一の見たかった景色を…俺が見て…
じーさんになって、あの世に行った時に…自慢してやる!!!」
剣は……
真剣な目で…青空に…
笑った…
「…そっか…
親友でもあり、ライバルだった剣君にしか出来ない事なのかもな…」
剣は仁さんに笑いながら…
鼻を啜った…
前に進むと決めた剣の顔は…昨日とは別人に見えた…
「…留美は…
留美はどうする?」