優しくしないで
第13章 夕暮れの彼女
『…違う…違う…
やめて…私……太一を…傷つけてた…
太一の気持ち知ってて…
別れなかった…
別れたくなかった………』
花束に…花がなくなり…
静ちゃんの手が止まった
そのまま…
へたりこむ…静ちゃんは…
コンクリートに両手をつき…
涙を流す…
『…プールの日…
もう…だめだって…思った…
太一の中で…留美ちゃんの存在が大きくなって…
私の入る隙が無くなったって…感じた…
一年…私は…罰をうけた…
太一を…解放して…罰も終わりにしようと…思った…
だけど……だけど…』
私は……
静ちゃんを抱きしめた…
『…好き…だったんだよね…静ちゃん…太一の事…』
痛い…痛いよ…
胸が…
静ちゃんを抱きしめている
この胸が…