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優しくしないで

第14章 未来を描く力



『……お姉ちゃん…
…“ボンベイ型”って血液型しってる?』




ボンベイ型…





『……凄く珍しい血液型でね…
日本だと…



400万人に1人なんだって』






愛美は空を見つめたまま…


たんたんと話す…






『…その…1人が…


………私…なんだって…』






『え…え?
愛美…だって…私と同じO型だったはず…?』






時限の違う話しすぎて…






付いて行くのがやっと……






『…私もね…中二の春までは、そう思ってた…』




『え…春って……』



何故か…



背中がゾワゾワっとした







『…そう…
お姉ちゃんが怪我して…
輸血が必要かもしれないからって…
家族で…血液検査したんだ…お父さんと私が…お姉ちゃんと同じO型だったからって……』





『その時?』



『うん、その時…初めて解ったんだ。
ボンベイ型は…O型って誤判定されるケースが多いんだって…

で、その場で血液センターにボンベイ型の血液保持者登録された…
同型輸血とかできないから……定期的に、自己貯血をして、保管してるんだ…』




15歳の…愛美が……





貯血…?




え……




『…それが…医者になりたい理由…?』


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