優しくしないで
第14章 未来を描く力
『うん、
私みたいな、珍しい血液型でも安心して生活できる…
安心した輸血システムを作りたい…
だから…看護師よりも、医者だって…思った。』
愛美の顔は…まっすぐ…
空を見つめている…
15歳の少女の……強い
思いは……
“無”の…私にも伝わってきた…
あああ…愛美は…
自分を解っているのか……
愛美は……すごい…
ちゃんと未来を描けている…
『…お姉ちゃん…
ありがとう………………』
え……私は…
意味が解らなかった…
『…怪我で…
お姉ちゃんは凄くつらい思いをしていたと思う…
でも、私は…感謝してたんだ…
もしも、知らないで…輸血する時がきてたら…
知らないで…妊娠したら…
確実に…生死に関わってた…』
『愛美……』