優しくしないで
第15章 着色の一歩
あれから……
学校が始まり…留美ちゃんは…
多分…笑っていない…
愛想笑いは…あるかもだが
俺は…結局…
見てる事しか…
側に要ることしかできなかった
何が“優しくしてあげる”だ…
自分が情けない…
あの時の…屋上にいた
3人の顔は……
一生…忘れない
夕日が沈み…
夏の夜が広がっていく…
あのスローモーションの様な…光景…
映画を見ている様だった…
一人の少年の死から始まる…
悲しく、切ない…映画…
俺は…脇役にすら…なってない
ため息が…深くでてしまう
「はぁ…」
「…おい、仁…ど〜した?シケた顔しやがって!
お客様の前では、何があったとしても笑えよ!!!」
大さんに…気を使わせた
俺は、鏡に自分の顔を映した…
「本当…シケた面だな…」