優しくしないで
第15章 着色の一歩
「……る…み…ちゃ…」
俺は、慌てて口を押さえた…
“会いたい…”と呟いたのを…少し恥ずかしくなってしまったから…
恥ずかしくもあり、嬉しくもある…
複雑な…感じ…
心が…トクンと…跳ねる感じ…
久しぶり過ぎて…
上手く…照れ笑いも出来ない
『仁さん…よかった…』
「え…?な……何で?」
留美ちゃんは…入口で
俺を見つめる…
『私の…
髪を…切って欲しいの…』
その一言で…
留美ちゃん…
の…雰囲気が…
変わって見えた…
そして…
その瞬間から…
俺も……何かが、生まれ…
変わった気がする…
色が……付きはじめる…