優しくしないで
第18章 …繰り返す
仁さんを待っている間…
風が…
…冷たく…私の頬を触る…
知ってる……
この…冷たくて…寂しい風を…
やめて…こんな風…
こんな冷たい風…
……感じたくない…
やめて…
太一……
私…寂しい……
怖い……
取り残される……
何も………持ってない…
冷たい風が私を包む……
寒さと…恐怖で……
固まっていた…
「…留美ちゃん!!!」
『はっ………』
息が……出来なかった…
仁さんの声で…空気が肺に入ってきた…
「…凄く…気分悪そうだけど…」
『………いえ…』
怖い…なんて…
言えない…
強く…なりたかったのに…
なんて…私は…弱いんだ…
弱くて……
また……呪いの呪文を…
口にしてしまう…
『………助け……て…
……………逃げ…たい…』