優しくしないで
第20章 走り出す
こんなに…人に優しくしたのは…
俺は…始めてで…
正解なのかが解らない…
俺は…
奏に……
優しくすることも…
助けることも…
ましてや、冷たくすることもしなかったのだから…
ただ…逃げ出した……
もしかしたら…留美ちゃんに対する…
この優しさは…
償いの部類なのかもしれない…
そうだとしても…
留美ちゃんの存在は…
俺にとって…大きいのは確かだ…
留美ちゃんが…
俺を動かした…
それは…紛れも無い…
事実……
愛……?………
愛とは…こんな状態なのかな…
奏への…思いとは…
違う…気がする……