テキストサイズ

優しくしないで

第20章 走り出す


仁Side―――――――…


太一の形見のシューズを受けとった日…



留美ちゃんは…電話をくれた…




太一の未送信のメールの件…



一年後に、携帯を受け取る約束をした静ちゃんの強さ…



その、静ちゃんと…もう一度、友達を始めたこと…



不採用の通知が…自分を孤独にする事…



俺に感謝している事……




電話では…伝えきれないと…涙を流した事…




俺は……全てを…黙って聞いていた…



“あいしてあげる…”の事も…



留美ちゃんは…ゆっくりだが…考え…


答えを出したいと…言ってくれた…




…ゆっくりでも…支えているって…

実感が沸いて来た…




そして…毎日ではないが…


時間がある時は、美容室で手話の勉強をするために…


雑用を桃さんに押し付けられながら…待っててくれている…




やばい…幸せで…顔がニヤける…



「お〜い!仁!!!良いことでもあったのか?」



「ん〜…まあね…」



大さんに…茶化されても…



今は…許せてしまう…




俺は…単純だ…


ストーリーメニュー

TOPTOPへ