優しくしないで
第20章 走り出す
「留美ちゃん、お待たせ…」
留美ちゃんは…スタッフルームのソファで…乾いたタオル抱きしめ…
眠っていた…
「…おっと、お姫様は眠りの中か?
手…だすなよ!一応、未成年だ!
じぁ…戸締まりよろしく!!!」
大さんが、小声で茶化すと…そ〜っと店を出て行った…
「…手…ださねーよ。」
俺は…お客様用の膝かけを留美ちゃんにかけた…
寝顔……綺麗だな…
高校生なんだよな……
イロイロ…経験して…
沢山泣いた…留美ちゃん…
泣き顔も、笑い顔も…
ゲロ塗れの顔も…
風呂上がりの顔も……
全部知ってるのに…
もっと……知りたい…
見ていたい…
………やべー…
変態みたいだな…
自然と…笑えてくる…
こんな気持ちになれたのは…
全部…君のおかげだ…
俺は、留美ちゃんの短い髪を…優しく触り…
微笑む…
「ありがとう…留美ちゃん…」