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優しくしないで

第20章 走り出す



会議室の扉の前……



緊張はピークで…口から心臓が出てきてしまいそうだった…



大きく深呼吸をして…


扉をノックした…



「どうぞ」



中から、入室を許可する声が…



私はゆっくり…



扉を開ける…






会議室には…三人の面接官…



会社の重役や人事…



椅子に座るよう促されつつ…座った…




私は…この限られた時間に…


思っている事を…言えるだろうか…



伝わるだろうか……





夢を…願いを…聞いてくれるだろうか……





面接官が私を見つめる…





“大丈夫だよ…”





仁さんの声を…




思い出す…




大丈夫……







大丈夫……






『澤口 留美です。
よろしく、お願いします。』





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